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―― 見本帖本店はじめ、TAKEO PAPER SHOW、竹尾賞などの文化活動の始まるキッカケというものはあったのでしょうか?
始まりは、まだ出来ていない市場に新しい製品を出したときに、それを多くの人に紹介する場が欲しい、と思ったのがキッカケです。竹尾の特徴は「新しいものをつくり、市場に流通させる」こと。その中で文化活動は色々な方に紹介できる場となり、そこから色々なユーザーがその紙を使った商品開発をして、新しい市場をつくることに結びついています。
そうしているうちに、ただ見せるだけでは物足りなくなり、デザイナーの方々にお願いし、竹尾の紙を使って一緒に製品見本をつくり、展示をするようになったという流れが現在のTAKEO PAPER SHOW、見本帖本店につながっています。しかし、言い換えれば紙を使ってもらう為なのです。紙を通して生活が豊かになり、心が豊かになると思っています。例えば、誰かにお礼の気持ちを伝えたい時に、メールではなく、手紙を書くと思います。紙自体から自分の気持ちにあったものを選び、お礼の気持ちを書けば、その気持ちがより相手に伝わると思います。その時に、紙の種類が多様であれば、表現方法もより多様になる。その受け手側は、より心が豊かになるということだと思います。
また、竹尾賞はビジュアルコミュニケーションに関する研究・評論活動を学問として少しでも認知されればとの思いから多摩美術大学の五十嵐学長のアドバイスで創設されたものです。竹尾ポスターコレクションも同様で、100周年記念行事となります。

インタビュー風景

―― 本の電子書籍化が進んでいると思うのですが、どのようにとらえていますか?

日本の電子書籍化はまだまだこれからだと思っているのですが、ヨーロッパとアメリカを比べると進み方が全然違いますね。アメリカは急速に進んでいて、ヨーロッパは今まで通りの出版に重きを残しつつ、ゆるやかに変化している印象を受けます。日本はその両方の要素をもって進んでいると感じています。私は、情報伝達のための電子化であって、本というものは情報伝達の役割もありながら、付加価値を見出すものだと思っています。例えば、何か自分と共鳴するようなものが本に載っていたら、それを所有しておきたい、という気持ちがでてくると思います。それが付加価値ですよね。昔は本・紙媒体しかなかったのですが、電子化が進んで今は情報が瞬時に入ってきます。
それを1日かけて検証して書かれたものが新聞となり、1週間かけて書かれたものは週刊誌となり、それよりももっと時間をかけてつくられたものが本です。


インタビュー風景

―― 今後の会社の展開を教えてください。

2つあります。一つは「紙の専門商社として紙をつくり続ける」、使いたい人、良いものをつくりたい人の様々なご要望に素材を提供することです。

もう一つは「素材+加工」です。十人十色ではなく一人十色ともいえる多種多様な今、良い素材を使って良いモノをつくりたい、でも加工方法がわからない、「では竹尾でお受けしましょう」ということです。素材は色々選べ、加えて多種多様な加工にも対応するということです。
―― 美大生へメッセージをお願いします。

紙は生活のいたるところにあります。紙というものに意識的に、紙の存在を感じながら生活してみてください。あとは、待っていても何も来ないので自発的に、自分だったらここの紙はこれを使いたいだとか、このデザインはこんな風にしたい、そして「紙で文化レベルをあげていこう」「デザインで社会を変えてみせる」というような心持ちをもって欲しいですね。あとは、若い皆さんは日本の良さを海外へ伝える役割が各々あると思います。海外へ日本の良さを伝えるためには語学力、それ以上に説得力のある自分を表現できる考え方を持つことが必要です。

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